RESEARCH

Theme 1: 酸化物系全固体電池(リチウム系,ナトリウム系)の研究

現行リチウムイオン電池に使用されている可燃性の有機電解液を,不燃性の固体電解質に置き換えた全固体リチウムイオン電池は,高エネルギー密度と安全性を同時に達成し得る次世代電池として期待されています。化学的に安定で取り扱いやすい酸化物固体電解質の高性能化と共に,電極-固体電解質間界面形成プロセスに関する研究に取り組んでいます。また,低コスト化が期待できる全固体ナトリウムイオン電池用材料の開発にも取り組んでいます。

Theme 2: 次世代型高性能リチウムイオン電池の研究

リチウムイオン電池はより大型化する方向で利用シーンが拡大しつつありますが,その高エネルギー密度性ゆえに,不具合が発生した場合には発火・破裂に至ることもあり,電池の安全性が社会問題化しています。環境に優しく安価な電極材料に着目し,材料の物理化学特性や電池の動作条件と電池内で生じる種々の反応過程の相関を明らかにし,電池反応機構を明確化することでリチウムイオン電池の特性を高性能化する研究に取り組んでいます。

Theme 3: ポスト・リチウムイオン電池(カルシウムイオン電池)の研究

リチウムイオン電池に代わる高安全・低コストでエネルギー密度の高い次世代二次電池(ポスト・リチウムイオン電池)の開発が検討されています。高価数で埋蔵量も豊富なカルシウムイオン(Ca2+)を電荷担体とするカルシウムイオン電池は,高電圧化・大容量化の可能性があり,ポスト・リチウムイオン電池の一つとして期待されています。充放電の可逆性の高い電極材料の探索・高性能化を中心とする基礎的研究に取り組んでいます。